外国人労働者との仕事の進め方

「それ、言わなくてもわかるでしょ」といった以心伝心的な、空気を読むといった考え方は、外国人労働者にはまったく通用しません。日本的な考え方の良し悪しの話は別にして、こと仕事に関しては、きちんと相手に思っていることを伝えなければ、相手は自分の気持ちを理解することはできません。外国人労働者に対しては、明確に、具体的に指示をする必要があります。

それでは、外国人と一緒に仕事を進めていく上で、注意しなくてはならない点をいくつかお話したいと思います。

 

1 業務の進め方

業務の具体的な指示
書類のコピーを頼む場合、「A4サイズ、両面、ホチキス止め」などのように具体的に指示する必要があります。期限についても、出来るだけ早くお願いしますではなくて、何時までにお願いしますとか、明日中までにお願いしますなど、きちんと締め切りの期限がわかるように指示する必要があります。

確認
日本人の労働者にも言えることですが、特に外国人の労働者に対しては、業務の指示をした後に、理解の確認をすることが重要です。実は、上司の話す速度が速いために理解できていなかったり、わからないと言ったら怒られるのではないかと思って、つい「わかりました」」と答えてしますケースもあるでしょう。外国人労働者に、そうした気持ちにさせないためにも、コミュニケーションがとりやすい環境作り、例えば、指示した後の、質問のための時間を用意するとかなどの配慮も必要です。

 

2 コミュニケーション

相手を叱る(注意する)とき、褒めるときにも気を遣うことが重要です。

相手を叱る時は、人前で叱るのではなく、別室に呼んで注意したり、少し間をおいて注意した方が良い
こともあります。また、相手の人格を傷つけるような表現・口調は慎むべきで、具体的な行動について注意するようにします。
つい、叱る方も感情に流されてしまい、声を荒立ててしまうこともあるかもしれませんが、相手も興奮してしまい、修復不可能になるまで関係がこじれてしまう可能性があるので、注意が必要です。一方的に注意するのではなく、何が悪かったのか、相手にも考えてもらうことも効果的です。

相手を褒める時は、人前で褒めても良いかもしれません。外国人労働者の仕事に対するモチベーションは
上がるでしょう。

余談になりますが、海外の子供と日本人の子供では、教育の仕方が違います。海外の子供に対する教育は、間違いを正したり、欠点を治すことは、もちろん重要ですが、それ以上にその子の良い所を褒めて伸ばしていくことに注力しているのに対し、日本の子供に対する教育は、減点主義で、悪いことを正したり、欠点を治すことに注力し、良い所を褒めて伸ばしていくことは二の次であるような気がします。

1回叱ったら、3回褒めるような気持ちで接することで、良好な関係を築くことができるのではないでしょうか。

 

3 ビジネスマナー

外国人労働者が、日本の企業で働く上で、日本のビジネスマナーを、最低限でも知っておくことは重要であることは言うまでもありません。将来、本国の日系企業で働く可能性もあるわけですから、外国人労働者には、日本のビジネスマナーを知っておくことの必要性について説明しておくと良いでしょう。

あいさつ
「おはようございます」、「お疲れ様です」、「お先に失礼します」という基本的な挨拶は重要です。
また、「有難うございました」、「ご馳走様でした」などのお礼の言葉も伝えておくと、人間関係が良好になると思います。食事をご馳走して、次の日の朝に、外国人労働者に、「昨夜はどうも有難うございました。」「美味しかったです」と言われたら、悪い気持ちはしませんし、自然とフレンドリーな気持ちになるでしょう。

時間を守る
日本では時間を守ることは、当たり前の常識とされていますが、外国ではそうでない国もあります。
仕事の開始時間、約束の時間、仕事の締め切りは必ず守るよう説明する必要があります。9時に仕事が始まるから、9時に職場に到着するのではなく、その時間に仕事をスムーズにスタートさせることができるように準備しておく必要があることも伝えておくと良いでしょう。また、約束の時間に遅れるようであれば、必ず事前に連絡をしてもらうようにします。

ほうれんそう
報告、連絡、相談の3つをまとめた造語ですが、社会人として基本的な動作で、どれも重要です。

上司への報告については、結果だけでなく、進捗状況なども報告するよう伝えます。

連絡には、良い連絡もあれば悪い連絡もありますが、特にトラブルが生じた時の悪い連絡は、すぐにするよう伝えておくべきです。問題の所在がわかれば、ダメージを最小限に食い止めることができるからです。

相談は、口で言うのは簡単ですが、なかなか難しいものです。特に問題が生じた時は、上司に話をしたら叱られるから、何とか自分で解決しようとするあまり、時間だけが過ぎてしまった経験をお持ちの方も多いと思います。
外国人労働者との関係では、日頃のコミュニケーションが重要であることは言うまでもありませんが、そうした時は、1人で悩まないで、出来るだけ早く、相談するよう日頃から話をしておくべきでしょう。

なかなか難しいことではありますが、、、。

 

 

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