書類選考のポイント

(1) 学歴と専門分野を確認する
外国人労働者が日本で働くためには、原則として就労可能な在留資格を取得する必要があります。

例えば、外国人労働者が取得するケースの多い、在留資格の一つである「技術・人文知識・国際業務」は、大学や大学院、専門学校を卒業した外国人が就職した場合に取得できるビザで、専門知識を生かしたホワイトカラーの職種が当てはまります。

このビザを取得するためには、①大学や専門学校で学んだ内容もしくは実務経験の専門性と、実際に従事する仕事内容との間に関連性があること、②また、外国人本人の学歴が重要で、卒業証明書、成績証明書などで、在学中にどのような勉強をしたのか、専門性は何なのかを証明し、審査では、従事しようとする仕事内容との関連性が判断されます。

こうしたビザを取得する場合は、本人の学歴と専門分野をきちんと確認することが重要です。履歴書だけで判断できない場合は、別途、卒業証明書などを提出してもらうようにしましょう。

(2) 在留カードを確認する
2012年7月9日に新しい在留管理制度がスタートし、在留資格をもって日本に中長期滞在する外国人には、在留カードが交付されるようになりました。
在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍、住居地、在留資格、就労制限の有無、許可の種類、在留期間(満了日)といった基本的な事項が記載されているため、外国人労働者を採用する企業は、この在留カードの内容を確認することで、容易に外国人が就労できるかどうかの判断をすることができます。

 

※在留カード確認の流れ(1→2→3)

1 外国人本人から在留カードとパスポートを見せてもらう
この時、在留カード(両面)のコピーを取り、企業にて保管してください。後で行政書士などの専門家に相談する時に役立ちます。また、コピーのみを持参した外国人労働者には、必ず原本を提示してもらうようにしてください。

 

2 在留資格、在留期間(満了日)を確認する
在留期間が過ぎていた場合は、不法滞在となります。いわゆる、オーバーステイです。不法滞在の外国人を働かせてしまうと、企業は不法就労助長罪にあたり、罪に問われる可能性がありますので、注意が必要です。不法就労助長罪に問われると、最長3年の懲役と最大300万円の罰金が科される可能性があります。また、企業コンプライアンスへの取り組みが社会的注目を集めるなか、不法就労者の雇用が発覚
した場合、消費者、取引先、業界団体等からの信用・信頼を失い、企業イメージが悪化する可能性があります。

一般的にはカードに表示された有効期間が在留カードの有効期間となりますが、表面の在留期間の満了日までに、在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請をした場合には、その旨が在留カードの裏面に記載され、当該申請に対する処分がなされない限り、表面の在留期間の満了日から2か月を経過する日まで有効となります。

 

3 就労制限の有無、資格外活動許可の有無、指定書(ある場合)の内容を確認する

在留カードの表面に表記されている就労制限の有無について

就労が認められている場合にはそれぞれの在留資格に応じた記載がされています。

具体的には、入管法別表第1の1又は2の表の在留資格、例えば、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格の場合は、「在留資格に基づく就労活動のみ可」、特定活動は「指定書により指定された就労活動のみ可」、別表第2の在留資格、例えば、「日本人の配偶者等」「永住者」などは「就労制限なし」と記載されます。「留学」、「家族滞在」などは、原則就労はできないので、「就労不可」と記載されます。

ただし、資格外活動許可を受けている場合には、在留カードの裏面にその旨及び許可の概要が記載され、具体的には、許可の種類に応じて、「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」又は「許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)」と記載され、その内容の制限を超えない範囲で就労することができます。

「技能実習」の場合は、「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載され、パスポートに添付されている指定書により就労活動が特定されています。

 

<関連情報>
在留カード等の番号が失効していないか確認することが可能
出入国在留管理庁ホームページ上では、在留カード及び特別永住者証明書(以下、「在留カード等」といいます。)の番号の失効情報を確認することができる「在留カード等番号失効情報照会」ページを設置しており、この画面上で在留カード等の番号と有効期間を入力していただくと、当該番号が失効していないかについて確認することができます。

在留カード等読取アプリケーション
また、出入国在留管理庁では、令和2年12月25日から、在留カード等読取アプリケーション(在留カード及び特別永住者証明書のICチップの内容を読み取り、その情報が偽造・改ざんされたものでないことを確認するための機能)を提供していますので、是非ご利用することをお勧めします。

仮放免許可について
※仮放免許可は在留資格ではありませんので注意してください。
仮放免許可書を所持している人は、入管法違反の疑いで出入国在留管理庁による退去強制手続中であるか、既に退去強制されることが決定した人で、いずれも本来であれば入管の収容施設に収容されるべきところ、健康上の理由等、様々な事情により、一時的に収容を解かれている人です。
仮放免許可書の裏面に「職業又は報酬を受ける活動に従事できない」の条件が付されている場合は、就労することができず、許可書にこの条件が付されていない場合であっても、就労可能な在留カードを所持している方を除き、就労することはできません。

 

何か、ご質問、ご不明な点がございましたら、Beyond行政書士事務所までご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

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