面接では、採用のミスマッチを避けるために、次の点について注意する必要があります。
1 質問や説明は出来るだけ具体的にする
2 日本語の能力について確認する
3 実務経験を確認する
4 差別的な質問にならないように気を付ける
1 質問や説明は出来るだけ具体的にする
例えば、「パソコンを扱うことが出来ますか?」と質問して、面接にきた外国人が、「出来ます」と回答した場合、「出来ます」の内容は人によって違ってきます。最初から、「エクセルは使えますか」とか、「簡単な表などを作成できますか」等と、具体的な質問をした方がよろしいでしょう。また、表を見せて、「これを作成するまでにどのくらい時間がかかりそうですか」というような質問をすることによって、より詳細なスキルのレベルを確認することができます。
2 日本語の能力について確認する
総合的な日本語能力は、書類だけでは判断は難しいです。書類に記載されている日本語検定等のような資格では、読解力と筆記力についてはある程度まで判断ができますが、そうした日本語検定等で上位の級を持っている場合でも、中には会話はあまり得意でない外国人もいます。
逆に、日常会話は流暢なのに、簡単な漢字やひらがなが書けないとか、読むことができない外国人もいます。日常会話能力については、面接で見極める必要がありますし、読み書きについては、補足的に試験を課すとか、簡単は文を読んでもらうなどして、より具体的に能力を把握できるように、準備することも重要と思われます。
日本語については、日本語能力検定で最低N2、可能であればN1という高いレベルを期待する企業が多いですが、実際に、仕事で使用される役に立つ日本語は、現場に入って自然に身に付けていくものなので、ある程度の日本語ができれば、特に大きな支障はないことも多いです。
N1のような高い検定レベルに固執するあまり、総合的に優秀な人材を逃してしまう可能性もあるので、
日本語能力以外の他のスキル、経験なども、しっかりと評価することが重要です。
3 実務経験を確認する
職務経歴書に、実務経験が記載されていますが、実は、実際の経験が浅かったり、補助的な業務が主だったりすることもあります。面接では、実際にどのような業務をどのような形で行っていたかなど、詳細に確認する必要があります。
4 差別的な質問にならないように気を付ける(職業差別の回避)
外国人労働者の宗教や国籍、思想などについて質問することは控えましょう。どうしても受入れ環境の整備ために必要な場合は仕方がないと思いますが、就職差別になる可能性がありますので注意が必要です。
面接者の中には、面接という雰囲気からくる緊張を少しでも和らげたいということから、次に示すような質問をする場合があります。
・本籍に関する質問
・家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
・思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問
・男女雇用機会均等法に抵触する質問
しかし、面接に来ている外国人労働者は、一つの質問からかえって緊張したり、気持ちが沈んだりして、それが態度や返答に出てしまうこともあります。ひいては、そのことが採否の判断基準に大きな影響を与えてしまうことになりかねません。
また、企業の方から質問していないのに、他の質問に関連して、外国人労働者の方から「家族の職業」「親の勤務先」などについて話し出すケースがあります。その時は、面接の趣旨を説明して、それらについて話す必要はないことを一言伝えてください。