ネパール人の結婚年齢は,男女ともに20歳以上です。
以前は婚姻当事者の年齢差が20歳を超えてはならないとされていましたが、現在はその制約は撤廃され、年齢差のある当事者も婚姻が可能になりました。
ネパール人と日本人の国際結婚手続きですが、よく日本とネパールのどちらから先に結婚手続をするのが良いのか?と質問をいただきます。回答としては、当事者の状況によって、どちらから進めても良いかと思います。
ネパール人配偶者が日本にいる場合は,日本で先に結婚手続を行う方がスムーズです。他方、ネパール人配偶者がネパールにいる場合は、ネパールで先に結婚手続を行うことをお勧めします。ただし、その場合、婚姻を行うには,1ヶ月程度の渡航が必要になりますので,書類不備で手続きが出来なかったという事にならないように渡航する前に必要書類をきちんと確認するなど、しっかりとした事前準備を行ってください。
注意点
ネパールは,婚姻要件具備証明書を発行しない国です。そのため,婚姻要件具備証明書に代わる書類によって,ネパール人の婚姻要件の充足を証明することになります。
【婚姻要件具備証明書】
外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。
もっとも,日本の市区町村役場で,外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。
そのため,国際結婚においては,国籍国の公的機関が発行する婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。
なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。
【再婚禁止期間について】
ネパールの法律には再婚禁止期間の規定がありません。ただし,日本で先に結婚手続をする場合は,日本民法の再婚禁止期間が適用され,前婚の解消又は取消の日から100日を経過していることが要件とされています。もっとも,ネパール人女性が妊娠していないという医師の診断書を提出することによって,100日を経過していない場合でも婚姻することができます。
それぞれの結婚手続の流れについて簡単にまとめた表が下記になります。
※結婚手続が終わった後、お二人で日本で生活するためには配偶者ビザが必要になってきます。偽装結婚を疑う入管の審査は年々厳しくなってきており、書類不備、説明不足による不許可が増えてきています。少しでも不安なお気持ちがございましたら、Beyond行政書士事務所にご連絡ください。
お二人のために全力でサポートさせていただきます。
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ご参考までにそれぞれの結婚手続の流れについて詳細なものをご紹介します。
日本で先に結婚手続をする場合
手続の流れは次の1→2→3→4→5となります。
1 市区町村役場にてネパール人との結婚に必要な書類を確認する
最初に婚姻届出予定先の市区町村役場にてネパール人との婚姻届に必要な書類を確認します。市区町村役場によって案内される必要書類が違うためです。
<一般的に婚姻届に必要な書類>
【ネパール人の必要書類】
1 出生証明書と、その日本語訳(認証印あり)
2 独身証明書と、その日本語訳(認証印あり)
3 家族関係証明書と、その日本語訳(認証印あり)(役所によっては不要)
4 パスポートと、その日本語訳
※ネパール人が在外にいる場合は,パスポートのコピーで代替可能です。
5 申述書(婚姻要件具備証明書がない理由書)
注意点
1,2,3はネパール外務省にて認証後,在日ネパール大使館にて認証を受ける必要があります。
【日本人の必要書類】
1本人確認書類(運転免許証又はパスポート等)
2戸籍謄本(※届出する役所以外に本籍を置いている場合)
3婚姻届(※証人2人の記入が必要)
関連情報
婚姻が成立すると、「婚姻届受理証明書」が当日から数日以内に取得できるようになります。ネパール大使館の婚姻の報告に使用しますので、準備しておきます。また、一週間前後くらいで、新しい「戸籍謄本」が発行できます。なお、必要書類は市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に提出先の役所に照会してください。
2 ネパール人が本国から必要書類を入手する
先ずは、ネパール人の親族の方に以下の書類を送ってもらいます。(ほとんどの場合、本人が帰国することなく、ご両親や兄弟などの親族による書類の取得が可能です)
1 出生証明書 (Birth Certificate)
2 独身証明書 (Certificate of Marriage Status 又はSingle Certificate)
3 家族関係証明書 (Relationship Certificate)(市役所によっては不要)
4 離婚判決書 裁判所から、ネパール語で発行されるもの(再婚の場合)
5 前婚の配偶者の死亡証明書 (Death certificate)(死別の場合)
ネパールの住所地の役所に行き取得します。場所にもよりますが、離婚判決書以外は、英文で発行してもらうことが多いです。地区によって田舎のオフィスなどは、英文での発行に時間がかかるため、ネパール語で発行する場合もあります。ネパールの書類は、誤字脱字が非常に多いため、本人の生年月日と名前のスペルが間違っていないか等、丁寧に確認してください。
注意点
書類の裏面は必ず確認してください。
1 発行する役所印と発行者のサイン
2 カトマンズにあるMOFA Consular Service(ネパール外務省)の認証印
この2つの印があることをきちんと確認してから、日本に送ってください。
認証を受けた書類を日本に送ります
3 在日本ネパール大使館で認証してもらう
MOFA Consular Service(ネパール外務省)の認証印がある書類は、在日本ネパール大使館の認証印をもらうことができます。婚姻届を提出する役所によりますが、大使館印を要求されることが増えてきています。
<必要書類>
1 認証印をもらいたい書類(出生証明書、独身証明書、家族関係証明書)の原本
2 ネパール人の身分証明書(ナガリタ)
3 ネパール人のパスポート
注意点
在日本ネパール大使館に直接行って手続することもできますし、郵送で手続の請求をしても大丈夫です。その際はナガリタ(身分証明書)とパスポートは原本ではなくコピーを用意し、返信用の封筒を同封しておきます。
4 市役所に婚姻届を提出する
最初に確認した書類を市役所に提出する。
5 在日本ネパール大使館で婚姻の報告をする
ネパール大使館に婚姻を報告し、証明書を取得します。配偶者ビザの申請時に必要ですので、必ず行いましょう。
<必要書類>
1 申請書(大使館においてあります)
2 婚姻届受理証明書(市役所発行のもの、原本)
3 ネパール人のパスポート
4 ネパール人の身分証明書(ナガリタ)
5 日本人のパスポート
6 日本人の免許証等
直接行ってもできますし、郵送請求も可能です。その場合は、受理証明書以外は原本ではなくコピーを添付します。また、返信用封筒も用意しておきます。
注意点
ネパールでは婚姻登録制度があります。配偶者ビザの申請の際には,ネパール大使館が発行するレター(証明書)を入管に提出すれば足りますが,ネパール側で正式に婚姻を登録するには、夫婦二人でネパールに渡航し,ネパール本国で手続きが必要になります。日本の役所に婚姻届を提出した後,ネパールの役場で婚姻登録手続きを行ってください。
ネパールで先に婚姻届を提出する場合
ネパールで先に結婚手続きをする場合は,日本人がネパールに渡航する必要があります。当事者二人揃って,現地の役場で婚姻手続を行います。なお、ネパールに入国してから15日以上が経過してからでなければ、婚姻手続きができません。
手続の流れは次の1→2→3となります。
1 ネパールの日本大使館にて日本人配偶者の婚姻要件具備証明書を取得する
<婚姻要件具備証明書を取得のために必要な書類>
【日本人の必要書類】
1戸籍謄本
2パスポート原本
3質問書(日本大使館の書式に記入)
【ネパール人の必要書類】
1 身分証明書(ナガリタ)
2 パスポート原本
2 ネパール内務省管轄のC.D.O(Central District Office)にて婚姻の審査を受ける
ネパールに入国して15日経過後に,必要書類を揃えて管轄のC.D.Oに両当事者出頭し,婚姻の申請を行います。
【ネパール人の必要書類】
1身分証(ナガリタ)
2独身証明書
【日本人の必要書類】
1婚姻要件具備証明書(上記手続1で取得したもの)
2パスポート原本
婚姻登記官は,申請から7日以内に婚姻申請を受理するかどうかを決定します。
万一不許可の場合は30日以内に裁判所に不服申し立てができます。
婚姻申請が受理されると,婚姻当事者と3名以上の証人がC.D.Oに出頭し,宣言書(Affidavit)に署名をします。その後,婚姻証明書が発行されます。
3 日本に結婚の報告をする
ネパールで婚姻手続きを終えた後,在ネパール日本大使館または日本の市区町村役場で,婚姻届(報告的届出)を提出します。なお、C.D.O発行の婚姻証明書を入手した後、婚姻が成立してから3ヶ月以内に届け出る必要があります。
【日本人の必要書類】
1婚姻証明書および日本語訳文
2本人確認資料(運転免許証又はパスポート等)
3戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合)
【ネパール人の必要書類】
1出生証明書および日本語訳文
2国籍証明書もしくはパスポート
以下は在ネパール日本国大使館のホームページに掲載されている情報(抜粋)です。
ご参考にしてください。
<日本人とネパール人との婚姻の場合>
日本国内に住んでいる両者が市区町村役場に婚姻届を提出する場合,ネパール人の夫もしくは妻は、ネパール国内の地方裁判所で婚姻証明書を入手する必要があるため、一般的には,ネパールの法律で定められた方式で婚姻を成立させてから、その証明書をもって当館もしくは日本国内の市区町村役場へ届け出る方が多いようです。
ネパール国内の手続きについては,各地方裁判所に両者が必要書類を用意し、当事者双方が出頭して手続きを行うこととなっています。必要書類の詳細については、直接地方裁判所へお問い合わせください。
ネパールの法律(民法)によると、外国人がネパールで婚姻する際,大使館で発行した婚姻要件具備証明書(独身証明書)、ネパールで15日以上滞在していることを証する市区町村役場が発行したレターとともに、婚姻する相手国の婚姻に関する法律(日本の場合は,民法731条の条文)の英訳とその英訳に公証人もしくは弁護士等の認証、印が必要になるとのことです。
婚姻手続きをする際には,上記書類が必要になるようですが、地方裁判所毎に提出書類が異なる可能性もありますので、事前に地方裁判所へお問い合わせいただいた上で、どのような書類が必要か確認してください。
また,地方裁判所で必要な書類を整えた上で申請した日から、手続きに一週間以上かかることがあるようです。
ネパールにおいてネパール人と外国人が婚姻手続きを行う場合、最低15日間ネパールに滞在する必要があります。ネパールの市区町村役場において、ネパールに15日以上滞在していることを証明の上、市区町村役場から地方裁判所宛のレターを取得する必要がございます。同レターの取得に際して必要となる書類に関しましては、事前に市区町村役場にご確認願います。婚姻手続きのためにネパールに来られる方につきましては、上記を踏まえ、余裕のある日程で来られることをお勧め致します。
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※当サイトでご紹介している方法は、可能な限りUPDATEした情報を掲載していますが、変更されている可能性もありますので、提出先や取得先の役所等で確認をしつつ結婚手続きを進めてください。
配偶者ビザの申請
結婚手続が完了した後、ネパール人配偶者と日本で生活していく為には、配偶者ビザを取得する必要があります。配偶者ビザの申請手続きは非常に大変で、審査も年々厳しくなってきているので、しっかり準備をした上で申請していくことが重要です。
少しでも不安なお気持ちがございましたら、Beyond行政書士事務所にご連絡ください。
お二人のために全力でサポートさせていただきます。